個別労働紛争解決制度による解決事例
以下、都道府県の労働局のサイトからの転載です
1 労働局長による助言・指導により解決した事例
(1)事業縮小に伴う整理解雇に係る事案(労働者からの申出)
申出者は正社員として勤務していたが、事業縮小を理由に解雇の通告を受けた。 申出者は、会社が事業経営上どうしても申請人を解雇せざるを得ない状況にあるとは思えないことから、解雇の撤回を求め助言・指導を申し出たもの。労働局長より事業主に対し、本件解雇については、人員整理の必要性について事前に労働者に十分説明し、協議を尽くしたとは云えず、また、解雇自体客観的に合理的でないとされる恐れが大きいことから、再検討するよう指導を行った。
その結果、当事者間の話合いにより自主的な解決が図られた。
(2)配置転換の撤回を求めた事案(労働者からの申出)
申出者は技術職として採用され勤務していたが、私病の発症を契機に一般事務を行う部署に配置転換された。その後、医師から技術職復帰に問題がないとの診断を受け、復帰を会社に申し入れたが受け入れられなかったことから、技術職への復帰を求めて助言・指導を申し出たもの。労働局長より事業主に対して、特段の事情がない限り技術職に限定して採用されたものであるので、申出者の合意がないにもかかわらず引き続き事務職として就労させていることは、合理的理由を欠き問題となる恐れがあるので、改善を図るよう指導した。 その結果、再度技術職として配置転換することで解決した。
(3)生産調整を理由に削減された勤務日削減の撤回を求めた事案(労働者からの申出)
申出者は週4日程度のパートとして勤務していたが、体調を崩して仕事を休んだところ、生産調整を理由にその後の勤務を週2日程度に削減するとの提示がされた。同僚は週3日程度の勤務となっており、自分はこのまま退職させられるか心配であり、同僚と同じように週3日程度の勤務ができるよう助言・指導を申し出たもの。労働局長より事業主に対し、本件の勤務日数の変更については申出者に対する説明が十分とはいえないので、当事者間で話合い自主的な解決を図るよう助言・指導を行った。その結果、同僚と同じ程度の勤務日数とすることで合意し解決した。